7.7. 課題④『新潮』新潮編集長 矢野優 氏
あなたの才能と世界の需要が交わるところに、あなたの目指すべき目的が存在する。
今回の課題
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「『新潮』ならではの新たな読者獲得の方法を提案せよ」
別の角度で言い換えれば、《「文学は好きだけど、文芸誌は縁遠い」という人を読者に取り込む方法を提案して欲しい。特集などの誌面提案のみならず、SNS活用や実地イベントなどを活用した提案を歓迎する》。その提案を通じて、《ネット時代の新しい文芸誌読者》像が見えたら、と思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ぶっちゃけた話、『新潮』自体、読んだことはなかった。
買ったことのあるものでも、文藝、文芸春秋、SFマガジン、早稲田文学 くらい
じゃあ「それは何故か?」という問いから始めるのは間違ってはいないだろうか。
この問いに答えることで、具体的な解決策の提示に繋がっていくだろうか。
自分にも一般にも共通する問い。それは、「文芸誌ってどういう人が買ってるの?どういう違いがあるの?」というもの。さらに深堀りする。
・文芸各誌の存在理由がよくわかっておらず、各誌の違いや特性をよく知らない
(「文学賞候補(受賞)作品の発表の場」くらいの認識しかなく、小説をハードか文庫かのパッケージとして捉えている人間にとっては存在が認められてない=知らなくて当然)
→各誌の特質(優れている点)とミッション(ポリシー)を掴み、強みを磨いた提案にしよう
いうことで、比較的スムーズに提案レイヤーまで持っていけた。
今回は課題中に「SNS活用や実地イベントなどを活用した提案を歓迎する」とのことなので、SNSを選択。
コアとしては、
「新潮は表現の先端を行く。そのために、異次元ジャンルをつなぎ合わせる」
に設定。
ラインは2つ、
・どうしてSNSが有効か(SNSはこう、新潮はこうだから)
・じゃあどうSNSで展開するか(新潮の強みはこうだから)
で構成した。
結論として、新潮矢野優賞の受賞はならなかった。
新潮矢野さんからは
「twitterは自分が始めて、ある時期までは99%が自分でつぶやいていたりしたのですが、これでFacebookとか真剣に始めたらもう編集する時間がなくなるなというのが実感。言い訳ですが。でも、特性の違いを考えたらやっぱりFacebookはじめるべきだなみたいな教えはあった。
「あと、考えてなかったなという片鱗を感じる事が出来たのは”新潮リゾームシー”で、新潮に載ってるものと一見その外にあるものを結びつけることで、確実にプラスのものが生まれる感触っていのか、ヒントをもらえるような気がしました」
菅付さんからは、
「読書会があったが、さらにはスカイプ読書会ってあるのかなと思った。最近インタビューをスカイプでやることが増えてきていて、これはスカイプでいろんなことが出来ちゃうなというのがここ最近の実感なので。あとは、金原ひとみの新作を吉高由里子に読んでもらうってこれはエロくて素晴らしいなあと思いました」
矢野さん「舞城と吉高さんの企画については、結構メジャーなところをぶつけてきている。それがなんかむしろいいっていうか、放っておくと芸術の価値で守られているっていう思いで疲弊してしまいがちなものを、メジャーなものでぶつけながら、だけど単に有名なものを押し付ければいいでしょ?っていうのと違う文化的なバランスや価値があるな、って思った」
反省点、
・提案のコアはシンプルなものの方が伝わる。そしてくどいくらいにコアを中心に。
・「SNSの今」みたいなファクトとかモデルや理論の説明などアウトリーチ的なことに時間を割くのはもったいない。
・発表が5分で収まらなかった。1枚のスライドで1分以上は説明し過ぎ。テンポ重視。
今回の受賞は、「徹底的に文字と文章にこだわった」という提案。
新潮発表活字をWEBフォームに投げ込んで栞にしたり、活字を主としたミュージアムや展示展開。
それで若者が新潮を読むようになるのか、一抹の疑問は残ったけれど。