1.26.課題⑫「株式会社HAKUHODO DESIGN代表取締役社長 永井一史 氏」
年明ける。12個目の課題。
メディア案って何だっけ?
広告の企画や表現ではなく、どんなメディアでどう訴求するかを旨とせよってことか。
どうしたって東京の魅力を考えるのが先だと思った。
そっから始めないと”うそだ”とさえ思った。
東京をどう見られたいのか?他の世界都市とどう差別できるのか?という考察からはじめたが肝心のメディアアイデアでピコーン!というのが出てこなかった。
なるべくアプリとかWEBサイト案は嫌だった(いや気持ちとして)。
古風で素朴な感じのするマテリアルなものが良かった。
なんかいいひねりがそのうち出るだろうと放置してたら〆切まで出てこなかった。
そのとき、このお題が難しいことがわかった。
どの人の提案も、的に当たらずかすめていったような印象だ。
もちろん自分のものも。
永井さんいわく、
「おもてなし」に持っていくには、ストーリーの組み立てがあまり良くなかったかもしれない。「予習をすると旅は深くなる」みたいなそういう切り口から深堀りした方が面白かったかも。あと、おもてなしのもう少しディティールと視点があれば良かったかもしれない。ここがサラッとしすぎてアイデアが消化されてないように感じる。
仰るとおりだ。
今回は、あまりに形にならなかった。
自分の中でなかなか妙案が出なかったので、前提部分のパートだけ作っておいて放っておいたものの、何も出ませんでしたという赤点解答。お恥ずかしい限り。
ここで僕が言いたかったのは ”おもてなし” じゃなかった。この国の文化慣習や習俗を含めたいいところ、日本人の心性というか文化人類学的にコアにある部分を、巧い表現が出なかった。言葉が作れなかった。だから「精神的な部分(もてなし)」と書いてしまう。書きながら懸念したことだけれど、やはり「おもてなし」というフレーズを使うべきではなかった。「おもてなし」ではなく「もてなし」にしたのは、薄々そのタームを使うことへの忌避が現れているが、やはり混同されてしまった。しっかり説明できなかったこちらの落ち度でもある。
人は、言葉とそのイメージに引っ張られる。誰かに何かを伝えようという時に、使用する言葉に付託するイメージを避けるためには、安易に使い古されたタームに手を出すべきではないんだ。
今回受賞したのは、観光地での音声ガイドとコンビにでの地図プリントという提案。
例えば観光地でも歴史的建築なんかはどこも画一的なイメージで、ヨーロッパじゃどの教会は入っても同じに見える。京都ではどのお寺入っても同じ感じでわからない。だから音声ガイドでその観光施設の妙やストーリーを解説するというもの。
他の人の提案にはない着想とあったらいいな感。ん?でもこれってビジネスコンペだったっけ?そこに東京のブランディング観ってあるのか?
少々面食らったのは、ブランディングメイキングの権威みたいな人が、ブランディング見地を少しも語らずにただのビジネスアイデアを見るだけになっているような気がした点。やや拍子抜けだった。