7.21.課題⑤『週刊文春』
試合開始のコール忘れて審判は 風の匂いに目を閉じたまま 穂村 弘
さて、今回のゲストは、文藝春秋 編集局長・週刊文春/月刊 文藝春秋統括 鈴木洋嗣 氏
【課題】は、「週刊文春の女性読者を増やすとしたら、
一見して、すごくやりやすい課題だと思った。
これまでは事業のマネタイズや新規読者層の獲得とか、ある程度現状分析に経営学的視点とかマーケティングとかが必要とされたけれど、今回の提案は連載と企画に限られている。
何十本も連載や企画のパッケージされた媒体である週刊誌への提案に対して、提案の数としては10個は必要だろう。となると、フレームや分析に枚数と時間は割いていられない。どうやって考えたかだけ見えるようにしよう。
主婦や女性の関心事や悩みは、YOMIURI ONLINEのおしゃべりbbs 発言小町からジャンルやカテゴリとして抽出し、片っ端からテーマに沿った企画と人選を考えていく。
逆に言うと、これは使いたい!(一緒に仕事したい!)という人選を先に出して、どのテーマにはめていくか整理するのでもいいと思った。
で、この段階で考えた人選が、穂村弘、村上隆、紺野美沙子、北の富士勝昭、春風亭一之輔らへん。
ざっと、本棚を眺めて出てきた人たちですが。
ということで今回核となる作業としては、テーマを偏りなく(現行のものに被りなく)クルーズしながら、面白い切り口・面白い人を捜して、その企画を練り込む。
結果、週刊文春の出題者賞をいただきました。
鈴木さんの講評では、「タイトルがお上手。なかなか練られてると思います。ちょっとやってみようかなというのも3つくらい見受けられました。毒のある人も旬な人もあるし、そうかと思うと大阿闍梨みたいな「心を込めて生きる」みたいな」オーソドックスな方にも目配せされているのでワンパターンになっていない。その人のいいところを救おうという姿勢がいいんだろうと思う。とくに『トンビが馬鹿を生む』というタイトルが素晴らしい。」というお言葉いただく。
基本スタンスとして、テレビや新聞を読んでいて、残ったモヤモヤした”疑問”みたいなものをひねってみて、どうしたら読みたくなるかを考えること。当たり前だけど、テーマや最終的にそれが面白いのか、読者に読んでもらえるものかが決定的に重要になる。例えば広告は、どうしてもコンセプトから企画や人選に落としがちだけど(つまりそれは伝えたい雰囲気(笑)とイメージがあって、それを実現させるにはどうするかと考えるため)、まず人がいてその人の魅力を最大限に引き出せる切り口は何かを考えた方が面白いものになりやすい。
菅付さんからは、「同じく、タイトルがいいと思う。「藤田紀子の『絶縁のススメ』」とか『ブラック企業のデスマーチ』とか、企画タイトル名を聞くだけで、人に言っただけで伝わりやすいから企画が一人歩きする。それは企画に現実性があるということ。完成度は高い」との感想いただく。
週刊誌の企画・連載タイトルは命だと思ってました。
それは週刊文春の目次、あるいは中刷り広告を見ると明らか。あまりにキャッチーで、どんなに醜悪で巨悪なものであっても「ほんとにしょうがねえな。」と笑ってしまうものが多いから。
もうほんと、ここが争点だと思ってました。
だから、そこで勝負できて、評価いただいたのはほんとうにうれしかった。
鈴木さん、菅付さん。ありがとうございました。