Book&Beer (&me)

ある受講者(菅付雅信の編集スパルタ塾−第三期−)の記録

12.8. 課題⑪「PARTY代表/クリエイティヴ・ディレクター 伊藤 直樹 氏」

 

年内最後の課題。 

【課題】「2020年の東京オリンピックに向けても向けなくても、今年だけで訪日外国人の数が1500万人に達しようとしています。英会話が苦手な日本にやってくる外国人が空港や駅、タクシーなどの交通機関で滞りなくスムースに利用できる環境づくりは急務です。

1964年の東京オリンピックではそんな日本人のためにピクトグラムが開発されて以降、世界的にその価値が高まったとも言われています。

日本にあるいずれかの交通機関での環境づくりのアイデアを、言語的、非言語的のいずれかのアプローチで考えて発表してください。交通機関は、飛行機、船、電車、駅、自動車、タクシー、高速道路、自動運転、次世代交通システムなど、すべてが対象で良いかと思います。

ちなみにPARTYが手がけた成田空港第3ターミナルのデザインは、わかりやすいサイン導線として、非言語的なアプローチとして陸上トラックを導入しました。」

 

 

いま現在日本人である私たちが感じている交通機関への不満や難点を切り口に、外国人観光客にとっての利便性やホスピタリティを考えてみた。


とはいえ、あんまりないかなあと逆に悩んでしまう。

東京への一極集中に起因する鉄道機関のラッシュとか交通渋滞とか、道路経路計画(あるいは都市計画か)のマズさはもう既に存在しているハードの現況からいってどうしようもないことが多い。

利用者目線でもすこし細かく見てみよう。

何か改善すべき小さな声があるはずだ。


今回は、課題の切り口を日常で標準化してたまに思い返すようにして(つまり交通機関利用時に普段よりも余計に情報量を読み取って)、アイデア出しに関してはタイムプレッシャーを利用して、かなり時間を抑えた。仕事脳育成TAKUMAメソッドと名付けよう(流行らなそー)。

 


伊藤さん曰く、「2つ目の漆黒の闇底ゾーン、こういうのは面白いと思う。アフォーダンスって言葉があると思うんだけど、人間の心理として、こういうものがあるとここを空けざるを得ないという、一見サインじゃないけどかなりサインとしての機能があるのかな。私がやった成田第三ターミナルでも、あの青いトラックの上で立ち止まって立ち話してる人ほんとにいないんですよ。要はあそこは歩くものであるというものすごい脅迫されてる感じというのがすごくあって人間て不思議なんですよね。だからここは歩くな!と書くよりも、これいわゆる”仕立て”だと思うんですけど、そういう意味でアイデアとして面白いなと思いました。
 あと3つ目のヘルプドルフィンですが、人工知能が活躍する場はあり得ていると思っていて僕らも人工知能の開発と導入についてかなりコミットして仕事しています。ここであるような困っている人が立ち止まる場所というのは助ける場というのは、将来的に人工知能が活躍する場としてはあり得る案だなあと思いました。なので、アイデア一つ一つはキラリと光るものがあったと思います」。あざす!

f:id:design_your_life:20151223174019j:plain

菅付さんは「僕も2つ目と3つ目が面白いなと思いました。困ってる人を可視化してのがすごく視点としていいなと思いました。ここからもう一段発展していく可能性があるなあと思いました」とのことでした。あざす!
 
 
で、今回のグランプリは、「”英語が出来る”とか”○○語が出来る”というネームサインを貼付けて、言語ヘルパーを可視化する」という主旨の似たアイデアを訴えた4人による同時受賞だった。「これだけ複数の人がたどり着いたアイデアには必然性とか必要といった何かしらのものがあるんだ」という理屈。(にしたって4人はズルい。もうルール変わってるし)
 
とはいえ、自分自身の提案も振り返っても、贔屓目にみて小粒でキラリ程度。
突き抜けたブレイクスルーであったり、何らかのクリエイティブツイストが自ら見出せなかった回は、勝負しに来た感じがしない。とりわけ出題者との勝負に。